虫のあれこれ。時々書評。

虫と本が大好きな中学生女子。出会った虫について、読んだ本の書評など、書いています。平成29年度上野科学博物館 野依科学奨励賞を受賞。2018年度 日本昆虫協会 夏休み昆虫大賞受賞。2019年度 最優秀賞受賞。

昆虫協会 夏休み昆虫研究大賞

とても良いお天気ですね。

秋は1年で1番好きな季節です(^_^)



先月、昆虫協会さんの昆虫研究大賞に

標本部門と研究論文部門の2部門に作品を提出し、見てもらうために応募をしたことを書いたと思います。


昨年は『ヤママユの一生を追いかけて』という小論文を初めて提出し、

佳作を頂きました。


その時にたくさんの他の受賞作品を目の当たりにし、

どんなことに興味がある方たちがいるのか、それらをみることも面白かったですし、

やったことを発表する楽しさを知りました。

そして評価はいろいろなので気にせず、

私は好きなことをテーマにする、ということを大切にしたいなとも思いました。


そして今年。

大好きなテーマで取り組んだ小論文と標本が、

2作品合わせての大賞を取ることが出来たそうです(*゚∀゚*)


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たくさんの実験をし、

それらをどう繋げるかが難しかったですし、

調べても結果が分からないこともありましたが、

楽しかったことを形に残せたことが良かったなと思っています。

それをいろいろな方に見ていただけたことも嬉しかったです。


表彰式(11月末)ではいろいろな方の話が聞けること、

発表をみることが出来るのを今から楽しみにしています。


私のまわりにはいろいろな分野で好きなことをたのしんでいる方、極めている方、頑張っている方々がいて刺激を受けますし、

見守ってくれている方々がいることを幸せに感じています。


これからも楽しいことを頑張っていきたいと思いました(^ν^)


『植物図鑑』

久しぶりの書評です(^-^)

(気がついたら、時々書評どころか稀に書評になってました笑)


『植物図鑑』 有川浩     角川書店

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ある日、さやかは仕事帰りに道路に転がっていたイツキと名乗る男をひろいます。

それから2人の生活が始まりましたが、

イツキは料理が大の得意。

それも普通の料理ではなくて植物を使った料理。

そんなイツキは毎日のように近くに植物を採りに行きます 。

そしていつもカップラーメンを食べていたさやかの前で

美味しい植物料理をつくってみせます。


ある日はイヌガラシのおひたし、

ある日はたんぽぽの天ぷら、

ある日はノビルとセイヨウカラシナのパスタ

やノイチゴのジャム…

そのイツキの勢いに乗って、さやかまで草花の図鑑を買い、勉強し始めます。

そんな植物にすっかり詳しくなったさやかを横目にイツキは突然さやかの家を後にしてしまい、、信じられない結末に…


恋愛ストーリーと言われているようですが、

イツキの植物についての詳しさと、

野草で作るお料理に

さやか目線で引き込まれていきました。


野草は人間にとって毒で食べられないものも多いと聞きますが、

きちんとアクを取っているところもイツキの凄さです。


ホウジャクでお馴染みのヘクソカズラ

虫採りをしている時に採集するノビルも出てきて共感するところもあったり(^。^)


巻末にはお話に出てきた植物の写真やレシピがあり、

タイトルの通り図鑑の楽しみが盛り込まれていて、

私にとって新しいジャンルの本だったように思いました。


「3匹のおっさん」で知った有川浩さん、

他の作品もいろいろ読んでみたいと思いました(^∇^)

ダイコクコガネ その後


今日は音楽室にゴキちゃんが2匹が出たようで、

音楽の先生が私のところに紙コップに入ったGを持ってきてくれました。

クラスのヤモリ飼育係りにあげました(^.^)

学校って、Gがよくでますね。


さて、夏の終わりに採集に行ったダイコクコガネさまですが、

あれからペアで飼育しています(^_^)


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同じところにオオセンチコガネのペア、ゴホンダイコクのペアも入れておきました。

牧場ではさまざまな糞虫がいるので、

それに近い環境が良いかもしれないと思ったからです。


みんなよく牛糞を食べていて、

元気なのはわかっていましたが、

最近になってダイコクコガネ♀が地上によく出てきて、飛んだり走り回ったりしているのです。

そしてたまに♂も出てきて、

♀を追いかけ回し、♀がかなり嫌がって逃げているところを見ます。


相性がよくないのでしょうか。

本能だと思いますが、

小さい虫にも好きだとか嫌いだとか相性があるのは面白いですね。


それとも、

土の中の状態が良くないのでしょうか。


そこで、

掘りおこしてみようということになりました!

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すると、中の方まで土はフカフカでしたよ。

オオセンチコガネだけを飼育している土はいつももっとパサパサになるので、

何種類か糞虫がいる方が良い土になるのかな、

と思いました。


1ヶ所、牛糞を溜め込んでいるような場所がありました。

ダイコクコガネがせっせと運んだのですね。


大きな糞球や梨球はありませんでしたが、

みんな、土の中で元気にしていました♪


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そして、

こんな幼虫がいましたw(゚o゚)w

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まさか?と思いましたが、

形がハエの幼虫みたいです。

それにしても2㎝をこえていて大きいですね。

何バエなんでしょうか。


他に幼虫の姿はありませんでした( T_T)



ダイコクコガネ、いつか梨球作ってくれたら嬉しいな❣️



 おまけ

糞虫といえば、、

先日、奈良県の糞虫館のことが朝日小学生新聞に取り上げられていました。

そして、そのならまち糞虫館館長の中村さんが

ブログで6月に私が行った時のことを書いてくださっていたと聞きました。

http://insect.nakamura.business/archives/33025145.html


びっくりしました!

ありがとうございます^_^

奈良はとても楽しかったなぁ、と思い出しました。



ハグルマヤママユ 飼育

良いお天気の週末ですね!


ハグルマヤママユの卵、

あれからどうなったのか…

念願のハグルマヤママユ飼育記です(^-^)


頂いた8個の卵


11日後、幼虫が孵化したのです。

他のヤママユガのように卵で越冬かもしれないと思っていたので驚きました。


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孵化1日目  初齢8 ㎜

黒い‼︎

ヒメヤママユの一齢に似ていますね。

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心配は食草です。

最初の食い付きが重要です。


沖縄や奄美で食べてる食草のシマサルナシは届いていなかったので、

ヤブガラシをあげてみます。


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端っこを食べてくれました!

糞も出ているので大丈夫そうで良かったです。

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ヤブガラシはこんな葉、

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マサルナシはこんな葉です。

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食草屋さんによると、

サルナシ、キウイでも成分は同じで大丈夫ではないかということでした。



少し大きくなって、ギフチョウにも見えてきました。

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孵化5日目、脱皮 2齢に  18㎜

黒い体を脱ぎ捨ててオレンジに変身!

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こんな綺麗な色の幼虫、

なかなかいないですよね。

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孵化7日目 3齢に 23㎜


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ビロードの耳のような突起がでてきて、

ハコフグ?みたいですね。

可愛い!


孵日目10日目 4齢  32㎜

色が濃くなってきましたね。

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頭の後ろが盛り上がっていて、

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眠の姿勢も面白い!




孵化13日目  脱皮‼︎  終齢  43㎜  幅10㎜



オレンジ→茶色→グレーになりましたよw(゚o゚)w


脱皮直後は頭も透き通っていて

顔の可愛さが見えますね。

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段々こんな毛むくじゃらのカレハガのような様子になってきました。

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刺さるとちくっとします。

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でも前から見ると可愛い小動物にしか見えません(*´∀`*)

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本当に動きが穏やかなコたちです。



孵化21日目 下痢便…というより大量の水をだしました。


孵化22日目 いよいよ営繭です♪


始まりました‼︎

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12時間後

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24時間後

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2日後    あれ、違うコが寄り添って並んで繭を作ったみたいです(^_^;)

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仲良しですね(^∇^)



途中で亜終齢、脱皮直前、終齢で

幼虫標本にさせてもらって、、

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(4齢の幼虫標本、下は生きているコです(^-^))


最終的に残ったのは繭4つ、

最後までヤブガラシでいきました。


来年?羽化のためには

南の暖かい冬のような環境を作る必要があるかもしれません。

この中から無事羽化出来るコがでて来たら良いなと願っています☆


約1ヶ月、なかなか飼育できないハグルマヤママユさんをゆっくり可愛がりながら

飼育が出来てすごく楽しかったです♪



いつか沖縄で実際にハグルマヤママユに出会ってみたいなぁ(^^)

栗の虫

私の通っている塾の理科の先生がこのブログを見てくださったみたいです。

ありがとうございます‼︎

勉強も頑張らないと、と思います(^-^)


先日、幼稚園の頃のお友達の家でイモムシがたくさんでた、ということで、

そのイモムシさんが我が家に来てくれました♪

(捨てるところで(>_<)連絡してくれたのです)


そのイモムシは頂き物の栗の穴からワラワラと出てきたというのです。



栗の実から穴を開けて出てくるというのはクリミガという蛾でしょうか、ゾウムシの仲間でしょうか。


ワクワクして栗が入っている袋を開けてみました⸜(* ॑꒳ ॑*  )⸝


いました、いました!

それがこれです!

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小さいなぁ。

体長8㎜ぐらいです。

栗に穴があいていて、そこから出てくるのです。

まさに出てきている真っ最中のもいましたよ!

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ドングリに入っているゾウムシの幼虫と同じタイプに見えます。

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調べてみると、

クリシギゾウムシか

クリアナアキゾウムシのようです。


このコたちは

ゾウムシの中でも

まさにゾウの鼻のように

口吻が長い可愛いコ。

目もクリクリしてるんですよ!

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以前採ったクリシギゾウムシ(上)とクリアナアキゾウムシ(下)


生態は…

親虫は栗の皮と渋皮の間に卵を産みます。

栗の中で、成長し、老熟成虫になると栗から出てきて土に潜り、2、3年後に羽化するようです。


なので、

土を用意してあげました。


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皆、ゴニョゴニョと潜っていきました(^-^)


無事に蛹になるでしょうか。

出てくるのは2、3年後…w(゚o゚)w

自然と同じ状態での管理が難しそうですが、

首を長くして待ってみたいと思います!



秋の味覚の栗、

美味しいだけじゃなくて、

こんな楽しみ方もあるんですね(^∇^)


『蛾の魅力と面白さ』 講演会

昨日は最高気温が19°C、11月 上旬ほどの

肌寒い日でしたね。


今の季節は

私の好きな『紫式部』、

その名前が付いた植木に紫の実がなっています。可愛いです(^-^)

(うちにある植物で数少ない食草ではない植木の1つ)

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さて、週末は、岸田泰則先生による、

蛾の魅力と面白さ」という講演を聞きに

行ってきましたよ。

場所は東京大学本郷キャンパス大講堂です。


東京大学総合研究博物館『珠玉の昆虫標本』では、

期間中に面白そうな特別イベントがいくつか

あったのです。

(矢後勝也さんの『秘蔵コレクションについて』や『昆虫標本作製入門』なども行ってみたかった!)

その最後のイベントがこれでした。

題名だけでもとっても面白そうです!

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講演の内容は


生い立ち

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幼少時代や学生時代のこと、読書感想文は図鑑で虫についての感想について書いたことや、高尾山での採集の思い出、余生の過ごし方まで楽しい紹介がありました。


当時売られていた昆虫標本セットも見せてくださいました。

ちゃんと注射器も入っていますΣ(゚д゚lll)

(200円と書いてありました)

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★世間での蛾のイメージや蝶と蛾の違いについて

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モスラは蛾ではない⁉︎というお話もありました(^-^)


調査について

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皇居や中国、高山の北岳

いろいろな場所で普段どんな調査、採集、研究をしているのかの興味深いお話があり、


★蛾の種類と魅力について

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トラガ、カトカラ、ヤママユガ、スカシバ、ヤガ、フユシャク、ヒトリガ、マガラガ、、

言葉の意味やそれぞれの素敵さ、

憧れの蛾を追い求めている話しもありました。


講演のタイトルの通り、

『蛾の魅力と面白さ』をたくさん知れたよい1時間でした。


この後、

博物館に移動して改めて貴重な標本を見てきました。

200年前に作られた国内最古の武蔵石寿さんの標本をガロアさん(ガロアムシを見つけた方)が発見した話や、

加藤正世さんの標本の話しなど岸田先生が

そこにいた方々に解説をしてくださいました。

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武蔵石寿さんの標本は重要文化財級だそうです。

中には当時薬だったミドリゲンセイやトウチュウカソウがあったり、

コウモリ、タツノオトシゴまでいました。

薄いジンガサハムシも形がきちんと残っていることに驚きました。



昆虫針を作った人のおかげで

標本が長く残せるようになったという標本の歴史のお話し(これは奥本先生が話されていたそうです)も面白く、

形に残すということはとても大切なことなんだと思いました。



いろいろなお話を聞けたし、

もう一度東大博物館に行けて楽しい時間でした。^ - ^

クロウスタビガ ♂♀

今週はあっという間に週末な気がしますが、

明日も学校です(^_^;)


さて、

先週に採ったクロウスタビガの♂と♀、

その後どうなったかというと…


♂はこんな感じです。

ウスタビガに薄く墨を塗ったようです。

格好良いですね✨

三日月のようなハートのような紋もおしゃれです。

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そして、♀は…

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ボロボロになりながら

もうダメかと思った2日後、

頑張って卵を産んでくれました❤️

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ヤママユのように野外にいる♀は

すぐに産卵する、というわけではないみたいなので嬉しいです!

力尽きるまで頑張ってくれました(*T_T*) 

ありがとうという気持ちで展翅してあげました。

ボロボロでも初採集のコ、思い出に残りそうです。


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改めてみてみると、

クロウスタビガは♀♂とも翅が丸く、

どちらもウスタビガの♀に似ていることに気が付きました。

ピンクが少し入っているところも似ています。


ウスタビガの♀はこれ。

(私の標本は今ほとんど家にないので2年前に初採集したコの写真から)↓


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ウスタビガの♂は小さくてシャープです。

♀と♂ではこんなに違う…

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(2年前に初採集の標本)



そして、クロウスタビガ♀の

産んだ卵はこんな感じでした。

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白と黒のパンダ柄(⁉︎)



幼虫は標高の高いところや、涼しいところでの飼育以外はとても難しいと聞きました。

来年、無事に孵化して育てることができるでしょうか(>_<)

幼虫をみてみたい(繭も見てみたい)ので、冬の間、大事に卵を管理しようと思っています(*^^*)