おとうさんがいっぱい
今回は久しぶりの書評です‼︎
『おとうさんがいっぱい 』より
理論社 三田村 信行
「 かべは知っていた」
『お父さんがいっぱい』って題名、
こわいですよね…w(゚o゚)w
このタイトルにひかれて、
図書館で手に取ってみました。
あるとき、主人公のカズミのお父さんと
お母さんはいつものようにくだらない些細なことから夫婦げんかを始めます。
それに耐えられなくなったお父さんは
イライラして壁の中に入って行ってしまいます。
なんと、お父さんが入っていった壁は
四次元壁で、壁と壁の間に空間があったのです。
お父さんがいなくなってしまうまでは、
お父さんのことを冷たくあしらっていた
カズミとお母さんも涙を流します。
でも、
カズミだけにはお父さんからのお願いや不安、喧嘩の続きの愚痴、終いには遺言まで聞こえていました。
その声は次第に聞こえなくなり‥
お父さんの存在感を考えさせられると同時に本当に壁の中は実在したのか?
読んだあとに何か後を引くお話しでした。
他にも奇妙な世界が広がるお話しが5話入っている短編集です。
私の好きな星新一さんの短編集に少し似た雰囲気があり、
面白かったです!
「お母さんもいっぱい」という本もあったら面白そうだなぁ(^-^)