虫のあれこれ。時々書評。

虫と本が大好きな中学生女子。出会った虫について、読んだ本の書評など、書いています。平成29年度上野科学博物館 野依科学奨励賞を受賞。2018年度 日本昆虫協会 夏休み昆虫大賞受賞。2019年度 最優秀賞受賞。

ヒメキシタヒトリ 飼育

こんばんは(^。^)


10月突入ですね!

クロウスタビガの時期がやってきて、

ウズウズしています。


今週末はクロウスタビガ採集に行く🎶と

決めていましたが、

来週に控えた文化祭用の資料、模造紙の提出が早まって、

標本も少ないながら飾ろうと思っているので、

準備三昧で行けずに終わった週末でした。

(T . T)


文化祭では、

ラットの解剖の説明担当に任命してもらえ、

今、暗記に勤しんでいます!!


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小学校時代には文化祭巡りで、

『解剖』が出来る学校、というのも見学理由の一つだったなぁ。

当時はイモムシの解剖はよくやっていましたし、豚の心臓(血液が出ないように処理されているもの)の解剖も習ったことがあり、

気分的に慣れているつもりでいましたが、

先日行ったラットは衝撃的でしたよ。。

(鶏、蛙も、いつかやると聞きました。)



生物部は、

虫を扱っている部員は極少ですが、

解剖を含めて、

ラットを使った発癌性物質の

研究をされている先輩がいたり、

部活の先生は、学校の森にも大発生している

カシノナガキクイムシの研究をしていたり、

学内の植物調べ、、

本当に自由でテーマがある人には、

とても良い部活だなと思います。(*^^*)




さて、今日の本題は、

『ヒメキシタヒトリ』ですよ。


ヒトリガ科ヒトリガ亜科の

美しく可愛い蛾です。



蛾類学会の岸田先生のコラムを

読んだことがありますが、

北海道に行っても必ず出会えるわけではない

貴重なヒメキシタヒトリ。


今回は、貴重な機会を頂き、

孵化したてのこのヒメキシタヒトリを

飼育させて頂きました!


食草は、

オオバコ、ギシギシ、タンポポ類、クワなども可能、と図鑑にはあります。


タンポポでの飼育出来るのは、

本当に嬉しい❣️

幼虫は小さい程、

食草替えや衛生管理などに注意が必要なので、

近くで食草が確保出来ることは

必須かもしれませんね。


そしてもう一つの注意点としては、

都内の道端の葉は、

排気ガスや、虫にとって病気になるバイ菌が

付いていることが多いので、

必ず消毒して、拭いて、あげていきます。



初齢 孵化3日目 4mm 

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とにかく小さい!

小さいのに、毛むくじゃらです!!

一定間隔で長い白い毛が生えていて、

短い毛は、黒い。

身を護るために、すぐに丸まります。

(植木鉢の裏によくいる丸まった虫のよう)

暫くすると動き出しますが、

動き方は早いし、滑るように歩くのです!w(゚o゚)w

…まるでGのような。。(≧∀≦)


孵化後 7日後 2齢 8mm

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もう脱皮です!!w(゚o゚)w

身体がすこし肉付きがよくなったせいか、

黒っぽいというより、

茶色っぽい体になりました。


孵化後 15日後 3齢 12mm

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焦茶色の体ですが、

よく見ると、腹部の真ん中あたりだけ薄茶色。

お尻のあたりの毛は、一部が異常に長い!

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動きが速すぎて、

なかなか写真を撮らせてもらえないのですが、

頭部撮影出来ました!

脱皮したてでとっても綺麗な白っぽい頭部です♡

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飼育器の中はこんな感じ。

まだまだ小さいですね(^-^)

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孵化後 23日後 4齢 17mm  幅10mm

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一気にもこもこになってきましたよ!

毛が増量、体の幅も太くなってきました。

腹部の真ん中のあたりは、

身体だけでなくて、

毛も明るい赤茶色になってます。

美容院で染めているオシャレさんみたいです。面白い!!

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体を伸ばして、顔が出ました!

激写です(*゚▽゚*)

頭部はすごく小さいですね。

ちょっと悪そうでもあります(笑)

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孵化後 28日後 終齢 22mm

(今回は5齢が終齢でしたが、これは環境、日照時間などによっても変わると思われます)

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最初に比べたら、大きくなってきました❣️

脱皮殻も大きい^_^

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大事に育てていても、この辺りから

数が減ってきました(T . T)

もうすぐ蛹化、頑張れ!!!

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孵化後 36日後 蛹化❣️

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何度か場所で悩んでいたようですが、

一頭が蛹化し始めました(^ν^)

大事な時期、そっとしておきます。


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孵化後 46日目 ♂羽化❤️

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黒と白の♂が無事に羽化しましたヽ(*'▽'*)ノ

ああ、素敵です❣️❣️❣️


10頭頂いて2頭幼虫標本に、2頭蛹化。

蛹化した2頭のうち1頭は

羽化、もう1頭は、羽化不全。。


結果、黄色い♀には会うことができませんでしたが、素敵な蛾を飼育することが出来て、

嬉しかったです。

飼育、楽しいですね。(^ν^)



そういえば、以前秋の終わり頃、

深夜の高尾でヒトリガ科の仲間が

アスファルトの上を歩いているのを見たことがありますが、

幼虫で冬を越冬するコもいるのでしょうか。。


生息地ではどんな生態をしているのかも、

気になりました。


今回初めて飼育出来たヒトリガ科。


一度、ヒラヒラと舞うヒメキシタヒトリを

野外で見てみたいと思いましたし、

また他の仲間も知りたくなりました

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