虫のあれこれ。時々書評。

虫と本が大好きな中学生女子。出会った虫について、読んだ本の書評など、書いています。平成29年度上野科学博物館 野依科学奨励賞を受賞。2018年度 日本昆虫協会 夏休み昆虫大賞受賞。2019年度 最優秀賞受賞。

オオムラサキとアカボシゴマダラ

突然寒くなりましたね。

明日は学校で、持久走大会!

毎日練習して走ってきましたが、

明日のお天気は大丈夫でしょうか。(´-`)


さて、

家のエノキの幹にはこんなコがいますよ。

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アカボシゴマダラさんです。


先日、学校の授業で春と秋に近くの公園に行き、

自然が季節でどんなに変わるか、というテーマで観察に行ったのです。


「虫もいなくなり、木も枯れて来ます」と言われたとき、

私がエノキで見つけたアカボシゴマダラ(^^)

(捕まえた時はまだ緑色でした。)

虫は姿を変えて越冬するものもいますからね。


このコは最近越冬幼虫になったんです。

まだ幹にいますが、このあと

枯葉にまぎれこむはずです。

擬態が上手過ぎて驚きますね。



そして、先週、昆虫館で頂いたのが

こちら↓

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オオムラサキさん^_^

アカボシゴマダラにそっくりな越冬幼虫です。

オオムラサキとアカボシゴマダラの違いは

お尻が2つに割れているのかどうかと背中の突起の数。

成虫は色や大きさも全然違うのに幼虫はそっくり、不思議です。


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顔はいつ見てもコアラみたいで

本当に可愛い♡

(緑色の体も良いですが、越冬する時の枯葉色も好きです。)


これから寒いところで管理して、

来年の春に芽吹いたエノキの枝を登っていくのを楽しみにしたいと思います♪


終齢の終わり頃では可愛い標本も作れますから、それも楽しみ^_^

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おまけ

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こちらの子はさっき家のマンションの天井についていました  …クロバネ?フユシャクでしょうか。       

触覚がヤママユのようなフサフサ、素敵です(*^^*)

これから標本にしようと思います。


この冬はフユシャク採集したいなぁ♪


成果発表会

12月ですね。❄️


昨日はファーブル昆虫館に行ってきました(^_^)

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昆虫塾での成果発表会があったからです。

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奥本先生も見てくださる発表会。

今年で3年目、塾生の希望者が今年はどんな虫に出会ったか、どんなことをしたか、ということを発表するのです。

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海外や日本各地で捕まえた虫をまとめて、

図鑑にしていた子の発表。

お父さんとたくさん採集に行ったそうです。



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今年はたくさんの水生昆虫採集をした小学5年生の発表。

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自分が採集したタガメやクロゲンゴロウ、ガムシを持ってきて見せてくれました。



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こちらはタガメの飼育観察研究。

大きい模造紙2枚分にぎっしりまとめていました。

今年はタガメが大人気ですね。

カマキリ先生の影響かな。



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甲虫を中心に採集した虫たちの発表。

採ろうとして蜂に刺されてしまったり、

学校の花壇で採ったオオスカシバのお話もしていました。体験談は面白いです。


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絵を描いている方の発表もありました。

全て点で絵を描いているそうです。


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4歳の女の子も発表していましたよ。

養蚕場に行って蚕を頂いて飼育したそうです。1歳半からの虫好きだそうです。

凄いですね(⊙ロ⊙)

私が虫(寄生虫ですが)に興味を持ち始めたのは4歳です。


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これは私が発表しているところです。

皆さん、真剣に聞いて下さいました。

良かった(^ ^)


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こちらはスタッフの先生の発表。

五島列島での採集品、ナイター採集品では魅力的な蛾も入っていましたし、

やはり展翅がとても綺麗でした。


他の人の発表が聞けたことと、

詳細がご報告できたこと、

奥本先生方の話を聞けたりと

充実した一日になりました(^∇^)



≪おまけ≫

昆虫館に飾ってあった今年のツリー、

大きいカブトがしがみついていましたよ。

去年までとは違い、面白いですね(^-^)

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みんなの願いの中にこんなものを見つけましたよ( ^ω^ )

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モフモフケムシ その後

こんにちは(^。^)

こんなに良いお天気だと虫捕りに行きたくなりますね。

…今週末も予定が入っていてなかなか虫捕りにいけませんよ(´-`)残念。


さて、先日高尾から連れて帰った

モフモフケムシたち。

その後どうなったのでしょうか。


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ヒトリガの仲間かもしれないこのコ

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こんなに縮こまってきて、

毛がちょっと抜けてきた感じになりました。

ひっくり返してみたら、

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うわっ( ゚Д゚)

自分の毛皮を繭のかわりにして、

中で蛹になっていました‼︎

すごいですね(⊙ロ⊙)

自分の体の使えるものをきちんと利用しています。本能?工夫してますね。



そして、

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こちらのタンポポをむしゃむしゃ食べた

スジモンシロヒトリさん、

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3週間くらいしたらツルツル蛹になりました^o^


土の上でひっそりと冬を過ごす蛹たち、

雨が降ったり霜がおりたりするところで越冬するはずです。

虫の越冬って本当に不思議がいっぱいなんです。無事に冬を過ごすには寒さが必要なコもいたり、

卵だったり、蛹だったり、成虫で寒さを凌いで越冬したり。

この蛹たちも北側の寒いところで管理しようかな。と考えています。



高山タイプのクロウスタビガの卵、

ヤママユの卵は実験的に冷蔵庫で保管に

切り替えてみることにしましたよ!

湿度にも気をつけないと。

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なるべく自然に近い環境にするのはとても難しいですね(*´-`)




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こちらは夏に山梨県で採ったクスサンの

透かし俵の繭、

中の蛹はクルクル動いて生きていますが、まだ羽化しません(≧∀≦)

クスサンは9月末から10月頭に出てくるコなのにどうしたんでしょうか。

環境が変わったから?

もともと羽化までいかない弱いコ?

これも観察、続けてみたいと思います。


生き物は何が起こるか分からないから面白いですね(*^^*)

昆虫協会 夏休み昆虫大賞 表彰式

あたたかい日が続いていますね。


先週末は昆虫協会さんの

『夏休み昆虫大賞』の表彰式に行ってきました(^o^)

場所はお茶の水大学。


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この日楽しみにしていたのは

表彰式だけではなくて、

他の受賞作品を見ることでもありました。


小学生低学年から中学生までの

論文、標本、美術作品、写真など

いろいろな部門の作品があり、

とても面白いのです。

同じようなテーマで何年も継続されて研究する方たちもいるのですごく参考になったりします。

たくさんの応募の中から受賞した作品、

こんなのがありましたよ。

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蝶の羽で作ったお花


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カブトクワガタの勝負がテーマの作品


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タマムシの絵の作品


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ヒラズゲンセイの標本がいっぱい


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アリの液浸標本がたくさん


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昨年大賞をとられた方。今年はトンボの研究。


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お知り合いの中学生の方の作品


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イタヤハマキチョッキリの接着剤についての中学生の作品


まだまだありましたが、

何年も継続して同じテーマで研究している人もいますし、

こういう作品を見るととても勉強になります。


私は

★小論文

『イモムシ・ケムシの標本作りpart2〜体の内部の不思議にせまる〜』

★標本

『2年間で私のところにきてくれた虫たち』


をテーマにしました。


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標本はこんな感じで展示してくださいました!



並べる虫を選んで標本を箱に入れる作業は

採集した時の嬉しかったことや楽しかったこと、幼虫飼育での可愛かった姿、、

いろいろなことを思い出しました。


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私のお気に入りの一箱です(^^)




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こちらは小論文

これを見て、いろいろな方が面白い感想を言ってくれていました。


絵でも、写真でも、論文でも、標本でも、

やったことを形に残すことは大変ですが、

記録に残せたり、発表出来たり、見て頂けたり、違う意見やアドバイスが聞けたりしますので、

また新しいことを知れるきっかけになると思います。


今回こうして発表したことで、

幼虫標本を私とは違う使い方をしたいので作り方を公開して欲しいという意見もいくつかありました。

これから先、いろいろな形で作られていくようになるのでしょうか(^-^)



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頂いた賞状と盾


来年は何がやってみたくなるか分かりませんが、また面白そうなことを探してみたいと思います♪

標本づくりの技 〜職人たちが支える科博〜

3連休ですね。

昨日は上野科学博物館の企画展、

『標本作りの技』に行ってきましたよ(^o^)


国立科学博物館といえば、何万点もの貴重な標本が所蔵されているので、

その標本がどんな技術で保存されているのか知れる展示、とても楽しみにしていました!


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入り口では大きなツチクジラの本剥製標本が堂々とお出迎えしてくれていました。



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自然に関する様々なものは

調査、観察、研究のために標本化されて、

その命を受ける、と書いてあります。

これからは時代の流れとともに標本の種類も多様化してくるみたいです。



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スタッフのマネキン人形があちらこちらに…気になる  ◠‿◠ 


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これはインカ帝国の子どものミイラ。

最初はただのペルーの子どもとしか分からなかったものが、最新の科学技術によって時代も背景も分かったというミイラだそうです。



人類研究部

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バラバラな頭蓋骨を30時間かけてちゃんとした形にしていました。


植物研究部

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長い間、残せるように

特殊な方法、道具を使って標本を作っています。


動物研究部。

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これはケナガネズミさん。

新種のタイプ標本が100年ぶりに収蔵庫から発見されたというもの。


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仮剥製標本が並んでいます。


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寄生虫の圧平染色標本❗️

平たくすることで体が透けて種類を判別出来るという標本。



小型骨格標本はたくさんのカツオブシムシに体を食べてもらってから、

骨を2週間煮沸していきます。

カツオブシムシが頑張って小型動物を食べている貴重な映像も面白かったですよ(^∇^))

その作業を含めて動物研究部でのすごい方だそうです。

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…仮剥製と本剥製、どう違うのでしょうか?

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蛾の軟化展翅をしている机(^^)

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地学研究部。

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これも道具が多いですね。



実物標本、複製標本、レプリカ標本、キャスト標本、乾燥標本、液浸標本、

骨格標本、さく葉標本、、

盛りだくさんの標本づくりの技、でしたよ❣️

研究のために形に残していく標本の技術や、

こんなにたくさんの作り方があることも知りましたし、それに関わるすごい方たちがいることもしれました。

行けてよかった(^^)


そして、

科博繋がりで。

特別展の『日本を変えた千の技術博』に行かれた先輩からお祝いにこんな蚕のペーパーウェイトを頂きました(*^o^*)

形が本当に本物みたいです。

蚕、頭持ち上げて、、下の写真のような動きしますよね。

とてもステキです!

どうもありがとうございましたo(^o^)o

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『飛ぶ教室』


今朝の空は飛行機雲がきれいに見えていました。


さて、

時々書評!です(^^)


飛ぶ教室

エーリヒ・ケストナー

岩波少年文庫

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話の舞台はドイツ、ギムナジウムの寄宿学校。

生徒のジョニー、ウーリ、マティアス、ゼバスチャン、マルティンの5人の少年たちがクリスマスシーズンにいろいろな出来事を繰り広げます。


ある日ジョニーが書いた劇、『飛ぶ教室』の稽古中にウーリは突然飛び出して行き、

はしごから傘を持って飛び降りてしまいます。その真相は…


それぞれ境遇に悩みがあったり、

葛藤の中で泣き、笑い、一生懸命毎日を必死で生きている少年たち。


成長していく少年たちのいろいろな想いを感じましたし、とてもリアリティを感じました。

そして、読む方は誰もが登場人物の誰かに共感するところがあるような気がしました。

私は真面目でクールなゼバスチャンに少し共感出来るところがありました。


見守ってくれている大人や先生たちが言った正義や賢さ、勇気の話も印象的でした。


80年前に書かれた本のようですが、

今でも誰が読んでも楽しめるおはなしではないかと思います。


これからの季節にぴったりのとても良い本でしたよ!

また読み直してみようかな^_^


ウスタビガ 採集

学芸会、無事に終わりましたよ!


さて、今週末はやっと、夜間採集に出られました♪( ´▽`)

今年最後のヤママユガのウスタビガ、

かなり低いところまで降りてきていて、

もう発生の時期も終わりそうです。


前回は出始めを狙って都内の山に行ってきましたが、

少し早過ぎて採れませんでした(T . T)。


発生の期間を考えると今週末がギリギリ最後のチャンス、

やっぱり自分の目で生きた姿を確認しておきたいですよね。


虫は時期、場所、お天気が関係しているので、計画、情報がとっても大切です( ̄∇ ̄)


昨年までは近くの山でペアをとってきましたが、今回は違うところに先輩と行ってみましたよ。


1年に1、2回昼間の採集に行く埼玉県のある場所です。

でも昼間と夜間は捕り方が違います。

外灯をメインに回る感じのところでしたが、

車を停められる場所があまりない!!


外灯がある場所がどんなところなのか、

を知っていないといけませんね。

なので、歩いて回れる場所を探したり、確認しながらしばらく歩くと、、


山の中でピカピカ明るいライトに照らされている看板にウスタビガ♀を発見(⊙ロ⊙)

看板のお花の絵に擬態していました(笑)


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それからそのあたりの看板でもう一頭、

駐車場に戻ってもう一頭(^∇^)


♀3頭を発見できました!

♀をおとりに、♂を呼び寄せようと試しましたが、、


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交尾済みの♀ではやっぱりフェロモンは出ませんね(´-`)


今年は赤い♂に出会えませんでしたが、

また来年のお楽しみにしたいと思います。



可愛い顔♡

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手の中で産卵^_^

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ニトベエダシャクも連れて帰りました(^ ^)


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行ってみないと分からない虫捕り、

いろいろな発見がある虫捕り、

やっぱり楽しいですね♪


冬も虫捕り出来るかな^_^